大根と白滝
美味しいお酒を嗜みながら、好きなおでんの具について1時間くらい白熱の議論を繰り広げたい。
小説家の井上ひさしさんが
むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、
おもしろいことをまじめに、
まじめなことをゆかいに、
そしてゆかいなことはあくまでゆかいに
と言っていて、乏しい語彙力でお恥ずかしいけれど、それな!!!と思った。
テレビを見ていて、むずかしいことをやさしく話しているコメンテーターの意見は自然と聞いてしまう。何かで「人は話の内容自体より話し方によって良し悪しを判断する(意訳)」という話を聞いたか読んだかした。本当にその通りだと思う。この人は、ただ"話し"ているのではなく、"伝え"ているんだなあと思う(これが悪いように利用されることもあるのだけれど)。
逆に、むずかしいことをむずかしく話している人を見ると、そんなもったいないことしないでよ〜、と思う。
難易のギャップが、その人の腕の見せ所であり、奥行きが伝わる魅せ場なんでしょう。
私はもっと魅せられたい。
茶道の考えの一つに、
点前には
重きを軽く、軽きをば重く
扱ふ味ひをしれ
という言葉があって、私はこれが結構好き。
お水が入って重たい水差しは何事もないかのようにスンって持ち上げるのに、軽い柄杓や茶杓は何回か持ち替えながらすごく丁寧に扱う。
軽重どちらかに偏るとお客様に違和感を抱かせてしまう。そうならないためのバランスをとるのが粋だゾ、ということ。シビれる。
いろいろ書いてみたけれど、冒頭でおでんの話をしたから、今、頭の半分くらいはおでんが占めている。好きな具は、大根と白滝。異論は認めるので気が向いたら熱く語ってください。